弊社は2019年6月からフレックスタイム制度を導入しています。

 導入のきっかけは2020東京オリンピックの話でした。

『この期間、どれくらいの人が渋谷に来るんだろうか?』

『時差通勤としても、公共交通機関をストレスなく使うことができるだろうか?』

『やはり毎日出社して仕事するのは難しいのでは・・』

という話になりました。

 働き方改革法が順次施行される中、弊社社長はもともと決められた時間に同じ場所に集まって長時間仕事することに疑問を持っていました。私たちのような小さな会社では、個々の裁量も大きく、いろいろな事情を抱えながら業務を遂行しなければならない状況もでてきていました。そして人も不足しています。
 また育児・介護などと仕事が両立できるよう、現社員とこれから新しく仲間になる方々に働きやすい環境を提供したいと考えました。

 そこで社長の一言

『オリンピック期間は全社員出社しないで仕事をできるようにする!!』

 ということで、2019年3月から就業規則の再整備を開始し、2019年6月にフレックスタイム制度と在宅・サテライトオフィス勤務を可能にした就業形態をスタートしました。

【新就業形態について】

  • フルフレックス   勤務時間:午前5時~ 午後10時
  • 1日の標準就業時間 7時間30分
  • 就業場所      会社・自宅・会社指定のサテライトオフィス
  • 休日        土日祝

弊社はコアタイム無しのフルフレックス制度を導入し、在宅勤務と会社指定のサテライトオフィス利用も可としています。もちろん、社内の定例ミーティングや取引先との打合せもありますので、その時間帯は当たり前ですが会社に出社、取引先へ出向します。他の就業時間を個々のプロジェクトの進捗状況やライフスタイルに合わせてスケジューリングし、今よりもパフォーマンスを上げてもらうのがねらいです。

 導入にあたり、フルフレックスとはどういうものなのか、勤怠をどう管理するのかを社員に説明してきました。説明する総務側も初めてのことですので、調査や社会保険労務士へ相談し就業規則にどう取り込むのかなど、かなりの時間を費やしました。

 導入整備当初、社会保険労務士の先生に上記の新就業形態で運用したいと相談した際は、とても心配されました。1日の就業時間は8時間から30分短縮。在宅・サテライトオフィス勤務もいつでも可となると、管理が行き届かなくなり生産性が低下するのではと。確かにその可能性は非常に高く、実際導入してみて低下しました。ですがこれからの会社のあり方を考えたら、今のタイミングでスタートしないと今後もできないと考えました。幸い少人数の為、「できている」「できていない」が管理側で把握できているので、現在はモチベーションを落とさないよう進められています。

【導入から3ヶ月経って】

 2019年6月から導入を開始して3ヶ月が経ちました。大きなトラブルはありませんが、「このような場合はどうすればよいか?」という質問や、導入後に「こういった場合の出勤パターンは記録しておかなければならない事項であるため申請が必要」など、都度改善して制度を作っている段階です。今までの仕事スタイルとは違い、自分で時間を管理しなくてはいけない状況の中、抵抗もありながら就いてきてくれているみんなに感謝しています。

 現在の就業スタイルとしては、全体的には週に1・2日は在宅で仕事している人もいれば、気分を変えてサテライトオフィスを利用したり、以前と変わらないスタイルで仕事している人もいます。また、業務開始時間を早朝にしたり、私用を済ませてから出社したり、家庭の事情で早く帰り夜に家で仕事したりと様々です。

【導入の注意点】

 この制度を導入する際の問題点は様々ありますが、セキュリティについては注意が必要です。これについても社内で話し合いを重ね、ガイドラインを作成してルールを決めました。 まだまだ不足していることもたくさんありますが、できることからすこしづつ積み上げています。また、日々の通信環境が変化する中で、作成したガイドラインの内容が有効かを判断して変更することも忘れてはいけません。

 そしてもう1つは、時間も場所も自由(一部制限はあります)で仕事ができるならと安易な考えで自分もできると思っている人には注意が必要です。「時間も場所も自由で仕事ができる」ということは、自分に大きな責任がかかるということです。どうしてこのような制度を導入しているのかを会社側も丁寧に説明し、受ける側もその背景をしっかり理解した上で取り組んで欲しいと思います。

【最後に】

弊社は以下のような順序で取り組んでいます。

これができるようになれば、いろいろなことがスムーズに回りだし会社が変わるのではないでしょうか。
 これからも、会社として必要な取り組みを社員の意見を聴きながら、働きやすい環境を作っていきます。